第8回つくばリサイタルシリーズ
「Quartet Amabile」〜若き才能の織りなす未来の音〜を聴いてまいりました!
この素晴らしい演奏会を一般千円、学生無料で聴くことができるのは、企画運営を学生による実行委員会が主催していること、大学を始め地域の企業や団体が共催、後援、協賛してくださること、それでも足りないところはクラウドファンディングによって協力を得ることができたこと、など、たくさんの人々のご縁と気持ちによって成り立ったものと聞いています。
チケットも完売という素晴らしさ!
雪予報も外れて折り畳み傘も出番がなかったので、駅から会場の「春日講堂」までのんびり散策がてら歩きます。どうやら広い広い大学の敷地のほんの入り口らしい。
「講堂」というから古めかしい建物を想像していましたが、なかなか落ち着いた雰囲気のホール。実行委員の皆さんが礼儀正しく温かく迎えます。
中に入ると「え…講義室じゃん!」
椅子に座ってみたら、机に寄っかかったり頬杖をついて聴けるって思いの外心地よいぞ!
そして、いよいよ開演。
決して響きが良いとはいえない会場、カルテットのメンバーはどう感じているのだろう?同じ演奏家としてちょっぴり気になります。
ハイドンが始まってしばらくは、演奏者も聴衆も響きに耳が慣れるまで少し時間を要したように感じたのですが、いつしかそんなことを忘れてしまうほど、音楽に惹きこまれていきました。
ステージの上にいるのは4人なのに、会場内に流れる音楽が豊かにぐんぐんと広がっていきます。作品のあらゆる場面によってそれぞれの楽器が前に出たり後ろに隠れたり、攻めたり支えたりしながら、音楽を作っていく様がおもしろくて楽しくて!聴いていて大変ワクワクしました。
カルテットアマービレのために書き下ろされたという江藤先生の新曲は風景がはっきりと思い浮かぶような美しい作品。
後半はウェーベルンの初期の作品、チェロの笹沼さんが演奏の合間のトークで仰っていたように「え?これウェーベルン?」と意外なほどロマンティック。
そして彼らの真骨頂、メンデルスゾーンの第6番へ短調には、これでもかというほど心を揺さぶられてしまいました。
弦楽四重奏を聴いてこんなに心を動かされたのは初めてかもしれません。
ぜひまた彼らの演奏を聴いてみたいと強く思いました。
感心したのは、会場が遠い、音楽専用ホールでもない、きっと不満を言えばキリがないはずなのに、カルテットのメンバー皆さんがとても楽しそうに、そして演奏はものすごく本気でステージに臨んでくださったことです。
またインタビューやSNSで実行委員や来場者への感謝の気持ちにまで言及されて…
演奏の素晴らしさはもちろんのこと、温かなお人柄まで伝わってきます!
素敵な演奏をありがとうございました。
そして実行委員の活動も素晴らしかった。
学業で忙しい中、おそらく不慣れな部分もあったはずなのに、当日に向けて丁寧なブログの更新、専門的な情報をわかりやすく伝えてくださる充実したプログラムなど、客席で聴く側の気持ちに寄り添ったものでした。
ぜひまた次の機会を楽しみにしています。
帰りはもちろんサザコーヒーに立ち寄って苺のカステラショートケーキをいただきました。
(画像は一部つくばリサイタルシリーズ公式Twitterまたプログラムより拝借しました)
#つくばリサイタルシリーズ
#Quartet Amabile