ピアニストは孤独。いつもひとりでピアノに向かう…私の性分にはまったく合わない。学生時代からみんなとワイワイ音楽をするのが大好き。そんな私にとって「吹奏楽団との共演」という夢が叶いました。
ガーシュウィン「ラプソディインブルー」の客演のお話をいただいた時に「わ〜嬉しい!やるやる〜」という思いと「還暦一歩手前の私でいいの?もっと若くてバリバリのソリストだってたくさんいるのに…」という迷いがありましたが、楽団には夫の古くからのお知り合いがたくさん所属していらして、そのお仲間に入れていただける!という喜びでお引き受けさせていただきました。
初めての練習から本番まで、演奏を合わせることはもちろん、彼らの作品への想いが何より熱く伝わってきて嬉しいことでした。
怪我をされてしばらく練習に出られなくなった団員は、一旦降板を考えたものの作品への想いが強く入院中に毎日「ラプソディインブルー」を聴き続けたそうで…本番では素晴らしいソロを披露してくださいました。
冒頭のクラリネットソロをはじめ、どの楽器も難しく緊張を要する作品です。でも曲調は楽しくノリノリでなければならない…前日ホール練習はいよいよ緊張感がMAXに!
指揮者の西口彰浩さんはまだ26歳とのこと。
まるで息子のような若者、感性の瑞々しい青年です。指揮者としてバンドを導くためにあれこれ想いはあったことでしょうけれど、本番の指揮台の上の彼はとても楽しそう。ついつい私までウキウキワクワクしてしまいます。
団員の皆さんもさらに熱く熱く盛り上がってきます。「あぁ、いいな。これがたまらなく楽しい」
どんなに練習をしても弾けなかったり、怖くて仕方がない箇所もある。でも大きな音楽の流れに包まれた時、そこはそれほど問題ではないのでした。
弱い自分の心との戦いでもありました。
この歳になって本当にありがたいことです。
演奏会を作り上げるために、企画から運営、演奏、裏方、すべてを団員の手でやらなければならない市民バンド。
たくさんの苦労が垣間見えましたが、慣れた動きでテキパキとこなして乗り切っていかれます。そして打ち上げになってしまえば誰もが笑顔いっぱい。
ステキなバンドの仲間に入れていただき至福の時間でした。ありがとうございました。
第2部は地域の学生も混ざって名曲が次々と。客席で座って聴いているのがもどかしいぐらい楽しんでしまいました。
夫が打ち上げのご挨拶の中で言っていた「子どもたちが市民バンドに混ざって吹くことで、スクールバンドでは経験できない温かさ、楽しさを味わってもらうことがとても大切。市民バンドならではの重要な役割では」というメッセージに心から賛同しました。
素晴らしい市民バンドのいるこの地域を心から誇りに思い、応援したい気持ちでいっぱいになりました。
#第61回演奏会
#ラプソディインブルー