明日は夫の師匠の誕生日…先生はウィーンフィルハーモニーのトランペット奏者でした。
亡くなった後、楽器の処分に困った奥様から相談を受けたことがありました。
私にはよくわかりませんが、おそらく名器がたくさん残っていたのでしょう。
奥様としてはどこの誰かわからない人に売るよりも、お弟子さんたちに引き取ってもらいたいという思いがおありだったようでした。
そんなことを思い出して話題にしていたら、息子が夫に「俺には楽器の価値とかまったくわからないから、もしもの時に備えてちゃんと書き記しておいてよ」と冗談まじりに伝えておりました。
そして「お母さんは何か残してる?」と聞かれ一瞬考えましたが「いや、何も」と即答しました。
使い古したピアノはとてもいい響きはしますが、おそらく二束三文にもならないでしょう。
…何も残らなくていいのです。
その点、作曲家はちがいます。
モーツァルトやベートーヴェンは250年もののちに、はるか彼方のアジアの片隅でたくさんの子どもたちが自分の作品を弾くことなど想像したでしょうか?
命が尽きても残した作品はいつまでも光り輝き人々の心に伝わり響きを与えます。
素敵なことだなぁ…
たくさんの作編曲、ポップスとクラシックの橋渡しもされた服部克久さんの訃報が届きました。
名曲「ル・ローヌ」は何度かコンサートでも演奏させていただいています。
ご冥福を祈りつつ心を込めて。
「ル・ローヌ」
服部克久 作曲
松山祐士 編曲
ピアノ演奏 YUKIKO KOHARA
#ル・ローヌ
#服部克久