ピアノはうたう

ピアニスト小原由起子のブログです。演奏活動やレッスン、日々の暮らしで大切に想っていることを綴っています。

憧れの「ゆっこ」さんのショパンを聴く

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3月に予定されていたこちらのコンサート、

緊急事態宣言発令により一旦は5月5日に、さらに本日に延期となり、なんと3度目の正直で開催されたとのこと。

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その都度、会場も変更になり「ルネこだいら」大ホールでの本番となったそうです。

いやはや仕方のない理由とはいえ関係者の皆さんのご苦労が伝わってきます。
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久しぶりに聴く生のオーケストラの演奏に心弾みます。

1曲目はロッシーニの名曲「ウィリアム・テル」序曲。

冒頭のチェロのソロがお見事!そして嵐、静寂、行進曲とおなじみの有名なメロディが聴こえてきます。

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コンサートが延期されたことでもしかしたら出られなくなった団員さんもいらっしゃるかもしれませんが、溌剌とした演奏にようやく舞台に立てた喜びが伝わってくるように感じました。

 

そういえば私も、今日だから聴くことができたのでした!

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序曲の後はピアノを移動して…

いよいよ楽しみなショパンのピアノ協奏曲第1番。

家にレコードがあったので、幼い頃から繰り返し聴いていたこの作品、いつかオーケストラと共演できたら…とピアノを弾く人なら誰もが夢見ることでしょう。
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ソリスト登場!

あぁ、憧れのゆっこさんだ。歩き方、あの頃とちっとも変わらない…。

【ピアニスト堀由紀子さんの出会い】

私は大学時代に弦楽器の仲間と親しかったことから、当時弦楽器科の伴奏助手をされていた堀由紀子さんのことは存じ上げていました。

ピアノが素晴らしいのはもちろんのこと、すらりと背が高くスタイルも良く、美しい横顔に男子も女子も憧れたものでした。

ある日、藝大5号館3階のロビー(俗称いこい)でたむろっていた時のこと、友達が私のことを「ゆっこ〜」と呼ぶとちょうど廊下を歩いていた堀由紀子さんが「なーに?」と振り返ったのです!

その思わぬ出来事に私たちはすっかり舞い上がってしまい「あ、いえ、こっちのゆっこのことで…」とソワソワ、するとゆっこさんは「あなたもゆっこなの?」とにっこり。

普段おすまし顔のゆっこさんの、その思いがけない気さくな対応に、私たちはますます憧れを募らせたのでした。

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あれから…え、30年以上?

ゆっこさんはフェリス女学院大学の教授を務められ、たくさんの優秀な音楽家を育てていらっしゃる一方で演奏活動も精力的に続けてこられました。

このたび拝聴できる機会に恵まれて本当に幸せでした。
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ゆっこさんのショパンは、ソリストとして音楽を牽引する一方で、和音やベースの変化を丁寧に響かせオーケストラを支えていました。

音色は柔らかく美しくキラキラコロコロしているのに、作品に対する想いはグイグイと伝わってきて心を掴まれてしまいました。

曲が進むに連れて心から喜びがあふれて抑えることができず、客席の私、だいぶ挙動不審だったかもしれません。

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憧れの作品を憧れのピアニストの演奏で聴く…

それもこのご時世に生で!

なんて贅沢で貴重な時間だったのでしょう。

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感謝の気持ちいっぱいでホールの外に出ると、さわやかな初夏の風と眩しい日差し。

昨日までの雨模様が嘘のよう。

なんと梅雨入りはまだなのですって。

お天気にまで恵まれた日曜日でした。

 

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