夏らしい青空が少なかった今年の夏。
ウイルスに関わる心配事にいつも心が塞ぐ日々、空模様まで暗く雨が多かったように思います。
それでも季節はめぐり、植物は夏から秋へと移り変わる。
八島湿原にはマルバハギが咲いていました。
子どもの頃から夏が苦手でした。
炎天下を歩く、汗びっしょりで走り回る、海辺で砂まみれになる…こんなことが嫌いでした。
だから夏の終わりはホッとする。
ハクサンフウロはもうおしまい。
今年の夏はたくさん会えました。
体力もなく、運動も嫌いな私を、山に連れて行ったのは父でした。
といっても高尾山、御岳山などケーブルを使って登れるハイキングばかりでしたけれど、山の匂い、稜線から眺める風景を覚えました。
小学校高学年になると車酔いをするようになり、登山口に到着するまでが憂鬱で気が進まない時期もありました。そんな私に父は不機嫌になり、優しい母に励まされて歩いた記憶があります。
山で見知らぬ人とすれ違う時に挨拶をすることも、頂上でお湯を沸かして温かいものを食べられることも、子どもの心を弾ませる山歩きの魅力でした。
高校生になると家族のハイキングの日はひとりで留守番をするようになり、しばらく山歩きからは遠ざかります。
小学生になった息子を誘ってハイキングに出かけたのは、遠い家族の記憶が楽しかったからに違いありません。
しかし知識がまったくなく、地図も持たずスニーカーで歩いていましたから、今思うと危機感が足りなかったですね。何事もなくよかった。
鉄道好きの息子は誘えばついて来て、文句も言わずに一緒に山を歩きました。
この記憶が、今度は息子が将来誰かを誘って山を歩くことにつながるのかな。
夫は山歩きの習慣のない家庭に育ちましたが、子どもの頃から父にスキーに連れて行ってもらっていたので、また違った角度で自然に親しむことを知っていました。
お互いにその楽しさを伝えながら家族で自然に親しんでいます。
なぜか海派ではなく山派です。
海は眺めるだけで満足、マリンスポーツの魅力はまだ知りません。
山を歩くことは危険と隣り合わせ、どこか緊張感があって、気の小さい私は実は心の底から楽しめているとは言えません。
やっとの思いで登頂したのに、もう下山のことが気になってアレコレ不安になるのです。
お天気や道迷い、怪我、虫、クマ、心配材料はキリがありません。汗だくで帽子の中の頭は痒いし早くシャワーを浴びたい、降りたら何を食べようか、そんなことばかり考えて歩いています。
なのに、また山に行きたくなる。
SNSや動画で楽しい山歩きの報告があると、登りたい山リストに次々と追加されていきます。あといくつ登れるかな、休みの日は限られていて、天候にも左右されます。
もっと早くから山歩きを始めておけばよかった…若者がスイスイと自分を追い抜いていくたび、そう振り返ってしまうことがあります。
登れた山も多かったかもしれないし、テント泊も当たり前だったかも。
一方で私より歳上のハイカーもとても多くて驚かされます。無理のないペースで楽しまれている姿には勇気をいただいています。思わず心の中でお礼と応援をつぶやく。
ハクサンフウロの濃いピンクさん達が群生していました。ググってみたら、アサマフウロ?アケボノフウロ?フウロは風露草と書くのですね。
一日も長く山歩きを楽しめますように。
体力作りや食事に気をつけて、健康に歳を重ねられるよう日々の努力ですね。
憧れの山はたくさんあるけれど、焦らず謙虚に着実に歩みを進めて行こうと思います。
あれ?ピアノのブログじゃないの?と笑われてしまうほど山の話題ばかりですが、どうぞ懲りずに覗いてください。
拙い写真ですが、山歩きの魅力を伝えて行けたら、と思います。
#山が好き
#山歩きが好き
#稜線歩きが好き
#樹林帯歩きも好き
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#下りも苦手
#下りを克服したい
#百名山にはこだわらない
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#家族の記憶
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