もう何年も前から「初夏の秋田駒ヶ岳」に行くチャンスを狙っていました。
その話を温泉に詳しい友人に伝えたところ、麓におすすめの秘湯があるとのこと、早速予約してもらいました。
盛岡から分かれた後、単線なのですね!びっくり!
できれば水深日本一の田沢湖にも立ち寄って、吸い込まれるほど青い湖のほとりを歩いてみたかったのですが、今回はバス移動のため時間的に難しく、次回へのお楽しみとなりました。
バスの窓から見える田沢湖…なんて美しい青!
そして標高を上げていくうちに見えてきた、たぶんあれが秋田駒ヶ岳。ワクワクが止まらない!
温泉、防災(火山)センター、観光情報センターを兼ねた仙北市の施設「アルパこまくさ」で下車すると、「鶴の湯」の送迎車が待っていてくださいました。
県道から分かれた道を進むとブナの林に囲まれます。
こんな森の奥に温泉が?と不安になる頃、茅葺き屋根の建物が見えてきました。
駐車場は思いのほか広く、たくさんの温泉客で賑わっていることが伝わってきました。
まるで時代劇に出てきそうな風景。
登録有形文化財だそうです。
350年前に本陣として使われていた長屋式の建物を客間として開放、休憩や朝食の場所として提供されています。
敷地内には小さな川があり、透き通ったせせらぎは心地よい音を立てて絶えず流れていきます。
深い緑の山に抱かれたこの地に湧き出でる豊かな温泉。お湯に浸かる前からすでに心身共に癒されるのでした。
露天風呂を含めた7種類の温泉に、ちょいと浸かっては出て少し休んでまた次のお湯へ…を繰り返しますが、
なかなか暑くて汗が止まりません。
浴衣のまま川のほとりのベンチに座って団扇で風を送る。なんという幸せ。
ご飯の支度も、仕事の連絡も、いっさい無し。
時間を気にする必要がないのが何よりの喜び。
ゆっくりと雲が動いていく様を見上げているうちに、お腹が空いてきました!
お食事処に行ってみると、山の幸がたっぷりのご馳走が並んでいました。
どれも手間暇かけて丁寧に手作りされたお料理ばかり、美味しく、そしてお腹に優しい。
中でも囲炉裏で温められた山の芋鍋は、
地元産の山の芋と山菜が入った味噌仕立ての汁で、身体が温まります。
岩魚の塩焼き、お刺身も山のご馳走ならでは!
他にもあきたこまちで作った団子のあんかけや、煮物やサラダにも新鮮な野菜がたっぷり使われていました。
あまりにお腹いっぱいで、お部屋に戻るなり寝てしまったのだけれど、せっかく来たのだから!と夜も更けた頃、露天風呂に向かいました。
月や星を見上げながら、柔らかいお湯に包み込まれた満足感は「俗塵を避けた天与の法悦郷」と呼ばれる鶴の湯ならではのもの。
教えてくれた友人には心からの感謝を捧げたいと思います。ありがとう!
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