山歩きにハマって以来「いつかは南アルプスを歩いてみたい」と夢見ていたけれど、現実的には無理なのだろうか、と半分諦め気分でいたところ、なんと師匠から「甲斐駒、登りましょう」とお誘いが!
ぜひぜひご一緒したいところだけれど、行程も長いし岩場もあるし自信がなくてグズグズウジウジ…「大丈夫、ゆっこちゃんなら登れますよ」との励ましに思い切ってついていくことにしました。
とはいえ、地図を眺め投稿サイトの記事や動画で予習をすればするほど、私には無理なのではないか、という思いが募るばかり。
ピアノでこんなに緊張をしたこともなく、ずっと胸がドキドキしているうちに、出発の日が来ました。
腹を括るしかないのだ!
茅野駅からJRバスで「清流荘」まで。
ここから先は一般車は入れないので、南アルプス林道バスに乗り換えて登山口のある北沢峠に向かう。
甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳の起点となる北沢峠の名前は知ってはいたけれど、まさか自分がそこを訪れる日が来るとは!
まだ登山口にも辿り着かないうちからテンションMAXなのでした。
よく動画で見ていた、登山口の橋。
小雨が降ってはいるけれど、そんなことはお構い無し、ついに来た!ついに!という喜びに満ちて歩き始めます。
沢に沿ってなだらかな山道が続きます。
今日はほとんど登ることはなく、40分ほど歩いた仙水小屋に宿泊する予定です。
だんだん雨が強まってきたけれど、緑が生き生きと美しい。
すれ違う人たちはほぼ皆さん甲斐駒から降りてきたのでしょう。
それだけで羨望の眼差しを向けてしまう私。
今日はお天気が悪くて眺望も臨めなかったでしょう。明日はどうなることかしら?
1箇所ロープのある岩場がありましたが、これもすでに予習済み、慌てず落ち着いて対応できました。ただ雨がどんどん強くなり、レインウェアの中は汗だか雨だかわからないくらいになってきました。
と思ったあたりで仙水小屋に到着。
軒下に入った途端、土砂降りの雨になりました。助かった…。
濡れたウエアやザックカバーを干して、小屋番さんの案内でお部屋に向かいます。
山小屋といえば雑魚寝のイメージでしたが、こんなに素敵な仕切りのあるお部屋!
きっと2020にコロナ禍で営業休止をやむなくされたことから、営業を再開する時には個別にスペースを確保できるように改造されたのでしょう。
同じ部屋には外国籍の女子がふたり。
私と師匠の4人部屋、十分な広さ。
ザックの中身を広げるスペースもあります。
窓の外の雨が少しずつ落ち着いてきました。
白樺林が見えます。
お手洗いも洗面所も外。
夜はライトが必要かもしれません。
山の中に泊まる、もうそれだけでドキドキワクワクが止まりません。
夕食は16時30分。
それまでのフリータイム、師匠は絵描きさんなので早速スケッチを始めます。
同部屋のふたりも「わーぉ!」と覗き込んで、そこから山談義に発展。
日本語と英語を交えて楽しい会話が弾みます。
雨が上がり霧が晴れて来ました。
それでも稜線まではまだ見えないけれど、きっとこの向こうに雄大な甲斐駒ヶ岳がドーン!なのだろうなぁ!
夕食の時間が来たので外に出てみたら青空が覗いていました。
私たちのお部屋の2階にも宿泊客がいるようです。入り口も別になっていて、コロナ対策ぶりが伺えます。
あんな青空が明日も見られますように。
南アルプスは行程が長いので朝食は4時だそう。
出発は暗いうち、空がうっすら白みかけた頃かもしれません。
楽しみだった夕ご飯、思いのほかボリュームがあって、丁寧な手作りのおいしさがあふれていました。
ハンバーグの中にはチーズが、そしてきのこととナスが添えられ、アジフライはからりとさっくり!これでスタミナ蓄えて明日に備えるぞ!
消灯の20時まで何をしましょう?
師匠はまたしてもスケッチ。
今度は外に出て静かに描き始めました。
こんな時音楽家は何もできません。鳥と一緒に歌でも歌おうか。
もう引き返すことはできない、という緊張感と
急登や岩場を無事に凌げるのか、という不安、
何より帰りのバスに間に合うように降りてこなくては!と思うと心配が尽きません。
とにかく早く寝よう!寝て明日に備えよう!
明日に続く…
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