山荘のある長和町から上田方面に車を走らせる時に、必ず気になる里山があります。
その名は独鈷山(とっこさん)
刃物を横から見たような、独特な山容です。
稜線はギザギザとしていて、別名は信州妙義。
上の方が岩峰が続いていて、どこが山頂なのかよくわかりません。
それでも塩田平をはじめ上田市街地が一目で見渡せることや、北アルプスから美ヶ原高原まで見える眺望の良さが人気、登山コースも4つもあるとのこと。
そのうち登ろうね、と言いつつなかなか実現しなかったのは、
岩場が苦手なことや、滑落事故のニュースを耳にしていたからでした。
里山とはいえ、痩せ尾根の両側が切れ落ちていたり、垂直な岩盤登攀がある、と聞くと、気軽に登るわけにはいきません。
入念な下調べの末、コースさえ選べば私たちにも登れると判断、行ってみることにしたのでした。
今回は「西前山コース」塩田平にあるマレットゴルフの駐車場横から虚空蔵堂に向かって登り、フェンスの扉の前に2〜3台の駐車スペースがありました。
沢に沿って登りますが、なんだか最初から結構な登り。そして休みなく続きます。
沢の流れに励まされますが、それでもかなりゆっくり登らないと息が上がりそう。
暗い杉林を抜けると、今度はシダ類やヒトリシズカなどが咲いていて湿地帯を思わせる登りになりました。
傾斜はさらに急になり、ところどころ補助のためのロープがお出迎え、足元もズルズルと滑ります。
そして木の根っこや岩が出てき始めたあたりから登山道が明るくなってきました。稜線が近いのでしょう。新緑の美しさよ!
イカリソウの可憐な姿に励まされて登ります
ここを登ればきっと稜線に出るはず
おぉ!通行止めマークが!
おそらくここは滑落事故現場でしょう。
ついこの岩の横を抜けていってしまいそうな錯覚に陥ります。
あとでわかったことですが、この先に鉄蔵山コースという垂直にそそり立った岩壁を登攀する登山道があるそうで、間違ってそちらに進まないように警告されているそうです。
ともあれ山頂まであと少し。
足元にフデリンドウの可憐な花が。
顔を上げればミツバツツジ。
大きな岩の合間から遠くの山並みが見え始めました。
他のコースとの合流地点。
痩せ尾根もあるので景色に気を取られないように慎重に進みます。
ここを登れば…
やった!山頂です。
浅間山が見えます。
ちょっとだけ噴煙も上がっています。
北信五岳のどれかかな?
北アルプスの山々
蓼科山の存在感の大きいこと!
北アルプスアップ!
美ヶ原高原と美しい尾根と谷
塩田平の街並み
私の後ろに、なんと槍ヶ岳!
さて下りはさらに慎重に。
花に見惚れている余裕はありません。
岩場をロープを使って降ります。
このあたりは昨年の夏に甲斐駒ヶ岳に行った時に師匠に教わったことが役立ちます。
難所を過ぎて、少し花の写真を撮る気持ちのゆとりが。
スミレさんはシーズン終わりかな。
ヒトリシズカもそろそろおしまい。
暗い杉の斜面を降りていきます。
振り返ると結構な斜度。
よく登ったなぁ。
行きには気付かなかった滝!
これがコースの名前にもある不動滝でした。
ニリンソウを見ながら…
登山口まで降りてきました。
無事に降りてこられて本当に良かった。
カキドウシの花に迎えられて。
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