9月中旬、いつまでも終わらない残暑、どこへ行っても暑いけれど、八ヶ岳ならば涼しかろう…と編笠山に登りました。
八ヶ岳という山はなく、主峰赤岳をはじめ、8つの峰々を総称するのですが、
私がこれまでに登頂したのは天狗岳と硫黄岳。
編笠山を8つの中に含むかどうか諸説ありますが、次に登るのはこちら、と決めていました。
花も葉も根も猛毒のあるトリカブト。
夏の終わりから秋にかけて美しい青紫の花を咲かせます。
初めのうちはなだらかな道が続きます。
登山口がすでに標高1,600m近いとはいっても湿度が高く、すぐに汗だくに。
最初のポイント「雲海」に到着。
本来は眺めがいいらしいけれど、スタート時間も遅かったので眺望も今ひとつ。
続くポイントの「押手川」ここで分岐になります。
編笠山を選んだ理由の一つに、苦手な岩ゴロを歩くトレーニングをしたかった、というのがあります。
春に、蓼科山をすずらん峠から登った時に、やはり岩ゴロに苦戦、人一倍運動神経が鈍くて怖がりのため、時間もものすごくかかってしまうのです。
ある程度は慣れもある、とガイドさんや師匠からもアドバイスをいただいているので、山頂直下は岩ゴロで有名な編笠山にチャレンジです。
「押手川」を過ぎた頃から、始まりました、岩ゴロ。
それでも蓼科山よりマシかもしれません。
あたりは苔むす岩が美しい。まるで北八ヶ岳のような静かで穏やかな風景です。
大きな岩に小さなハシゴがかかっています。
少し前に仏岩で経験したので余裕で楽勝!
これなら槍ヶ岳もOK?いえいえ、とんでもない。
そろそろ森林限界かな。
最後の急登がキツイ、と誰もが皆さん仰る。まさに今そこです。
ふと、振り返ると
「あ!開けた」
長い樹林帯から抜けて眼下に街並みが!
そして足元には有名な看板が!
「山頂までホントにちょっと」
青年小屋の粋な計らいだそうです。
「あ!富士山」
夫の声で振り返ると、ほんの頭の先が見えています。
富士山が見えるとどうしてファイトが湧いてくるのでしょう!
昨年の夏に登った甲斐駒ヶ岳の頭もちょっぴり見えています。
相当な高度感!頂上はもうすぐそこです!
岩の間にヤマハハコの花がいっぱい!
編笠山、登頂しました。
眺望はあきらめていたのですが…
夫と交代で写真を撮るうちに雲が晴れてきました。
あれは、ギボシ…
そして権現岳が姿を現しました。
頂上にいる登山者みんなが慌ただしくカメラを向けます。
ほんのこの一瞬を待っていた、そして逃してはならない!
そしてまた、あっという間に雲がかかってしまいました。
残念ながら赤岳は見えません。遠くに蓼科山が見えています。
編笠山の山頂はまぁるくて、蓼科山に似ていますが岩は少し小さいので歩きやすいです。
本来なら南アルプスが目の前に見えるはず。
甲斐駒ヶ岳だけでなく、6月に登った鳳凰三山も…見たかったなぁ。
さぁ、午後から雨予報なので下山しましょう。
青年小屋経由で分岐の「押手川」を目指します。
青年小屋までが難所の岩ゴロ。
すぐ近くに見えているのに…なかなか辿り着きません。
苦手の岩ゴロ。
足の置き場を考える、バランスを考える、頭の中はいっぱい!
後ろから10名ほどのグループがやってきたので道を譲りました。
おそらく私より確実に年上と思われる方々が、ひょいひょいと岩ゴロを歩いて行きます。
うーん、情けない。
やっと到着した青年小屋。遠い飲み屋の提灯。
時間がなくて寄ることができませんでした。
次回は泊まって…権現岳にチャレンジ?
さぁ、ここから登山口まで約3時間!
苔の森を歩いて、歩いて、歩いて…
なかなか風景が変わらない。
ループにハマった感、下山あるあるです。
岩ゴロはまだ続いています。
怪我をしないように慎重に!
足元の苔の美しさに励まされながら…
やっと押手川に着きました。
ここからは登りと同じルートをひたすら降ります。
途中少し眺望が開けますが、厚い雲に覆われています。
アキノキリンソウが咲き残っていました!
ホタルブクロも一輪。
雲海に着く頃には、遠くからゴロゴロと雷鳴が聞こえてきました。
午後から雨予報でしたので雨対策もバッチリ。
ここまで降られなくて本当にラッキーでした!
とはいえ、慌てず慎重に。
降ってきたら雨具を着ればいいのです。
怪我が1番怖い。
途中でまだ日差しも差し込みます。
南斜面なので午後になっても登山道が明るいので助かります。
笹が綺麗に刈られて、よく整備されていました。感謝です。
無事に下山。
駐車場には簡易トイレが3つ。中はペーパーも掃除道具もあり、とても綺麗でした。北杜市が管理しているようでした。
車に乗り込み走り出して15分ほどで土砂降りになりました。
降られなくて本当に助かりました。
長く引く裾野がとても綺麗。
下から眺めた時に「あそこに登ったんだな」って思えるのが何より嬉しい。
苦手克服はなかなかできないけれど、編笠山いつかまたチャレンジします。
#編笠山
#八ヶ岳
#観音平から