八ヶ岳って名前の山があるんじゃなくて、8つ山があるんだって。
その中で1番高い山は赤岳で、とても険しい山なんだって。
赤岳という山名は、酸化鉄による赤い岩肌からきたものらしい。
大学時代によく泊まりにいった清里のペンション「モンテローザ」のオーナーの話を覚えていました。
まさか自分が八ヶ岳の見える地域に家を持ち、登山に目覚めるなんて、その当時は思いもよらなかったけれど、山にハマったきっかけは八ヶ岳の入門コース天狗岳だったし、次に登った硫黄岳もそんなに苦労しないで登頂できました。
赤岳は苦手の岩場が多いらしい、無理にチャレンジしなくても、と思っていたのだけれど、その後、同じ八ヶ岳の編笠山や横岳に登頂してみると、だんだん親近感がわいて現実的に考えられるようになりました。
それでもチャレンジ登山には違いないから、八ヶ岳のガイド、上田さんに相談したのが3年前。もう少し長い距離を歩かれて体力をつければチャレンジできますよ、とアドバイスをいただいて、奥多摩や奥秩父の山々を歩き、少しずつ長い距離を歩けるようになってきました。
そうして迎えた本日、思いのほか冷静で落ち着いた気持ち。それより緊張感が大きい。
予習好きの私のことだから、地図は頭に入っているし、動画をみて難所の様子も想像できている…あとは天候と体調さえよければ!
と歩き始めた美濃戸口。
エコーラインを車で走っていて「美濃戸」の文字を見るだけでワクワクしてしまう私だが、実際来てみると静かな林道。感無量で歩き始めます。
1時間ほどで美濃戸山荘に到着、美味しい天然水をたっぷり水筒に詰めて歩き始めます。
ここが南沢と北沢の分岐点、まずは行者小屋を目指して南沢沿いをすすみます。
苔の森と美しい渓流、ホテイランの群生地もあります。
ウツボグサ、ヘビイチゴ、ホタルブクロなど、山の花もたくさん咲いていて、ガイドの上田さんが見つけては教えてくださいます。
でもなぜか調子が上がらない。
暑い?体調今ひとつ?いやいや、実はじわりじわりと標高を上げていたのでした。
長い樹林帯が少しひらけて、明日目指す横岳が前に聳え立ちます!
そして少し行くと行者小屋に到着。
来たる地蔵尾根に備えて食事休憩を摂ります。
「山なめんなよ」のプレートで有名な行者小屋、よくSNSや動画で見ていました。
これは記念撮影するしかない!
ユーモアたっぷりのはからいに疲れも吹き飛びみんな笑顔いっぱい!
さぁ!いよいよ稜線を目指して急登が始まります。
予習で知ってはいた階段攻めも、こんなに一段が高いとは!脚の筋力のない私にはとてもつらい。
それでも周りの風景は素晴らしく、ガイドの上田さんの的確なアドバイスで思いのほか難所は短く感じられ…
やっと地蔵の頭まで登りきりました!
ここまで来れば赤岳はもうすぐそこ。
今夜宿泊する赤岳天望荘に荷物を置いて、すぐに赤岳山頂にアタックすることに!
実は午後から雷雨予報が出ていました。
ガイドの上田さんの判断で出発を1時間早め、天望荘には13時に到着していました。
下から見ると絶壁のような岩場も、鎖がついていて、足の置き場もわかりやすく、あまり恐怖感はありません。
振り返れば天望荘があんなに下に!
慎重に一歩ずつ登って、まもなく赤岳天上荘に到着。山頂はもうすぐそこ!
ついに登頂!赤岳 2,899m
祠に一礼、記念写真を撮ったところで、遠くに雷鳴が聞こえました。
「すぐに下山します」
せっかく登頂したけれど、接近する雨雲が怖くて上田さんに従い急いで下山します。
とはいえ、足元は慎重に…すると美しい高山植物たちがそこかしこに咲いていて、ついついカメラを…
「急ぎますよ〜」いつも落ち着いていらっしゃるめずらしく上田さんが焦っている…これは相当ヤバいのかも、と降りてきたらポツリ、ポツリ「あ!降ってきた!」
慌てて山小屋に飛び込むと同時にザーッ!と降り始めました。
「なんというタイミング…」と上田さんを見ると「ギリギリでしたね」とニッコリ。
さすが八ヶ岳のスペシャリスト、空を読むのにも慣れたものなのです。
小屋で着替え、荷物整理、休息、夕食とのんびりしていたら、何やら騒がしい。
麓の諏訪地方に大雨洪水警報が発令されるほどの大雨が降っていたというのに
「雨が上がってる」「夕焼けが!」と声が上がる。
慌ててスマホを手に外に出ると…
圧巻の夕景が待っていました。
これだから山はやめられない。
最高のご褒美をいただいたのでした。
明日は横岳から硫黄岳への縦走。
稜線上は眺めが良いのと高山植物がとても楽しみだけれど、八ヶ岳有数の岩稜地帯でもあるので事故も多いと聞いています。
やや緊張しつつ、早めに休みました。
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