ピアノはうたう

ピアニスト小原由起子のブログです。音楽活動と、趣味の山歩き、日々の暮らしで大切に想っていることを綴っています。

20年越しの夢、サルギ尾根を歩く〜正月登山

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元旦は両方の実家をハシゴしたので早く寝ることができなかったけれど、2日は松戸始発の常磐線に乗りました。

正月登山、目指すは奥多摩です。
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ちょうど拝島駅で夜が明けました.朝焼けの鮮やかなこと!しかし寒い。

始発の常磐線はとても暖かくJRさんに感謝だけれど、高田馬場から乗り換えた西武線の寒かったこと!ダウンを着込んでも震えるほどでした。

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五日市線に乗り換え終点の武蔵五日市駅でバスに乗ります。養沢の鍾乳洞の手前、養澤神社で下車します。

ついに、という興奮を抑えるのに精一杯。

ここから大岳山に向かうサルギ尾根を歩きたい気持ちは20年越しのものだからです。
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まだ山歩きなんて考えもしなかった当時、

ふたりの小さな息子さんを連れて週末のたびに山を歩くお父さんのブログ「モリモリキッズ」を愛読していました。

思えばその頃から山への憧憬は心の底にあったということですね。
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大岳山といえば御嶽山から行くものだと思っていた私は、他にもいくつかルートがあること、中でもサルギ尾根は、ケーブルカーができる前はメインの参拝路だったことを知って驚きました。

そしてその後は歩く人が極端に減り道は荒れ、

その当時の山と高原地図では破線ルートとなっていました。

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モリモリキッズのお父さんは、神社の裏から取り付いて、ルートファインディングをしながら息子を導いて大岳山はと向かうのでした。

それを読みながら「よほど山を熟知した人でないと歩けないルートなんだろうなぁ」と険しい尾根道をぼんやり想像するばかりでした。
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それが最近、山動画や山のSNSでその名を見かけることが多くなり、急登とはいえ道がしっかり整備されたことを知り、歩いてみたい想いが募るのでした。

新年早々、そんな気持ちに応えてくださるのはこの人しかいない、とひとまわり以上もお若い山の大先輩にお声をかけたところ…
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「〇〇山に行きたい、じゃなくて、尾根の名前が出てくるとは嬉しいですね!行きましょう!」と快諾してくださり、正月登山はサルギ尾根から大岳山、そして帰りに御嶽神社で初詣をするプランとなりました!
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養澤神社の裏の崖をよじ登るような急登から始まるのは予習の通り、その後ものしかかるような登りが続きます。

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時折、木々の間から隣の尾根か見え隠れします。

そう、登る左側には馬頭刈尾根、右からには金毘羅尾根を見ながら歩くコース、尾根好きにはたまりません。
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2時間弱で最初のピーク高岩山に登頂です。

眺めは次の上高岩山の方がいいそうなので、ここは写真を撮って小休止のみで出発します。

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少し岩が出てきたり、またまた急登が現れたり、なだらかな尾根道になったりをいくつか繰り返します。
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あれは馬頭刈山かな、その向こうに丹沢の山々が見えます。
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かなりの急登ですが、おしゃべりできるくらいのゆっくりなペースで息が上がらないように登ります。思いのほかつらくない!
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何か大きな人工物が見えたと思ったら東屋で

誰にも会わない静かな尾根には立派すぎるほどの展望台に到着しました。
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素晴らしい眺め!

金毘羅尾根の向こうに都心の風景が広がります。そう、ここは東京都なのです。
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これから向かう大岳山!いつ見てもかっこいいなぁ!
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しばし眺望に見惚れて、お日様を浴びて体を温めながら軽食を取り、上高岩山の山頂を踏んでから大岳山に向けて出発です。
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このあとは峠まで降りるばかりかと思いきや、途中のピーク中ノ沢の頭まで上り返します。やれやれ。

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芥場峠まで誰にも会わなかったのに、御嶽山からのルートと合流したことで急に登山者が増えました。
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ここまで来たら大岳山はもうすぐそこ。

少しの岩場を越えれば登頂…のはずだったのですが、
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大岳神社のトイレに寄ったときに躓いて転んでしまい、膝を強打しました。

どこも痛めたわけではなく打ち身だけだったのですが、なんだか心拍数が上がってきて、立ち上がれたものの足がなかなか前に出ません。
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気のせいか脈も早くなっていて、先輩に伝え少し休むことに。

狛犬さんの写真を撮ったり、祠にお参りしたりしましたが、バテた感じはないのに動悸がおさまらない…。
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山頂まではもうあと15分くらいなので、ゆっくり行きましょう、と歩き始めます。

なんとか登れるのですが、今度は足が攣りそうな気配。これは初めての経験、さらに不安が募ります。
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しかしそこは大先輩!

ゆっくり深呼吸してください。

少しずつ水を飲みましょうか。

足攣り予防薬はお持ちですね、すぐに飲んで…などなど、

経験豊かな先輩にアドバイスのおかげで無事に登頂、写真が撮れるまでに回復、事なきを得ました。

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富士山が見えた〜!

初富士!正月登山でしたから期待はしていましたが、綺麗な青空と冠雪した富士山の美しいこと!
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そしてこちらも美しい山容の御前山。

秋に登ったばかりですが、今度はぜひ湯久保尾根を歩きたい。

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山頂は登山者で賑わっていました。

気温は低めでしたが風もなくゆっくり休憩をしてから下山を始めます。
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幸い体調は良くなり、プチ岩場も難なく通過、そのまま御嶽山に向かって歩きます。
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綾広の滝、滝行もできるとか!
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冬の奥多摩らしい美しい景色が続きます。

鍋割山や奥ノ院はまたの機会に、御嶽神社を目指します。
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境内は正月2日とあって賑わってはいましたが、並ぶほどではなく石段を登り切るとゆっくり眺望を楽しむことができました。f:id:amefuri5kumanoko:20250110022544j:image

奥宮参拝所より奥ノ院を臨む。

幼い頃、父に連れられて登った記憶が蘇ります。私の山への想いはやはり、あそこから始まっているのかも…。
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前回やっと知った、御岳山の山標。一応登頂記念に撮影。
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下山はケーブルカーを利用、麓に降りたら急に寒くなってきました。

御嶽駅には、お風呂も下山飯やさんもありません。駅直結に温泉のある河辺駅まで電車で移動することにしました。
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下山すると緊張が解けて、途端にお腹が減ります!私の場合は「肉、肉、肉!」と肉がたべたくなります。

先輩が河辺駅の洋食屋さんを探してくださり、ハンバーグをモリモリ食べました。

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そしてツルツルの温泉に浸かって、今だけ無料の中央線グリーン車に乗ったらバタンキュー、次に目覚めたのは東京駅でした。

やはり寝不足は大敵ですね。

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憧れのサルギ尾根を歩くことができた感激は大きかったけれど、

一方で、前回楽々に上がれた大岳山の手前で体調不良になったことが何より気になって仕方がありません。

先輩によると、アドレナリンが出まくってテンションが上がっているけれど、身体はキツいのだからそこらへんは配慮しないと、とのこと。「いやーでもすぐに元気回復されたから、大岳神社の狛犬さんが山頂に行きたくて小原さんに憑依したのかもー♫」には笑いました。

 

学び多き正月登山となりました。今年も何より安全第一でやまをあるきます。

 

 

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