
(3月末の山行記録です)
里はもう春ですが、山の上はまだまだ冬。
今シーズンは思い切って12本爪アイゼンとそれに合わせた冬用の登山靴を購入、使いこなせているとはとても言えないので、2月25日に受けた冬山講習のおさらいに出かけました。
夫は冬期、スキーの指導員をしているので、この日もスキースクールの始まる前に登山口まで送り届けてくれました。
お互いに怪我のないよう気をつけて、雪山を楽しんでいます。
今回のチャレンジは蓼科山。
もう4〜5回は登っていますが、冬山は初めてです。
しかも、登山口までの道路が冬季閉鎖になる関係から、ルートは「すずらん峠」からの一択です。
このルートはグリーンシーズンでも難儀した覚えがあるので、覚悟を決めて、そして途中で引き返すも十分有りの想定で登り始めます。
この日は東京も夏日、3月末とは思えない陽気でした。
数日前に降り積もった雪はたくさん残っていますが、かなり緩んでいます。
初めのうちはよかったのですが、斜面が急になってくると、頼りのアイゼンの12本爪でさえ止まりにくくなります。
それでもなんとか全体の2/3くらいまで来て、ここからの急登にどう立ち向かうか、休憩しながら考えます。
すれ違う降りてくる人もだいぶ大変そう。
ビビりの弱い心が顔を出します。

いやいや、上田ガイドに教わったじゃないか!
装備や知識に不足はない。足りないのは経験だけ。ゆっくり、行ってみよう。
なんとか乗り切って森林限界を超えました。
ここからは風が強いので雪は少なくなります。
アイゼンを履いたままなので、岩で躓かないように気をつけます。
晴れているのにもやっとしているのは、気温が高いからかな?
すぐそこにあるはずの八ヶ岳の山々も霞んでいます。
本当なら南アルプス見えるはずなのに本当に残念。
見たことのない空の色、もしかしたら黄砂の影響もあるのかもしれません。
頂上が見えてきました。
このあたりは大きな岩がゴロゴロしてとても歩きにくいのですが、雪が積もっているおかげで歩きやすい。

といっても踏み抜かないように細心の注意は怠らず。
強い風が作る芸術作品、風紋(シュカブラ)です。
あぁ、山標が見えました!
蓼科山登頂、2,531m
うわ〜青空の下に気味の悪い色の層が…
広い山頂と青空…のはずが、こちらもどんより。
とりあえず神社にお参りをして、無事登頂できたお礼と、下山までの安全を祈ります。
強風の中、居合わせた登山者に撮っていただきました。
お隣に見えるのは北横岳。
この前はあそこからこっちを見ていた。
こういうのがとっても嬉しい。
名残惜しいけれど、あまりに風が強いので、ひとまず下山開始。
お昼ご飯休憩もおあずけです。
下りは下りでアイゼンが効かず怖いのなんの。
慣れている方はバランスよくサクサク降りて行かれますが、こちらはへっぴり腰でヨタヨタ。
下りが課題です。
1番の難所を下り切ったところでお昼休憩。
といっても、雪の上にザックをおろし、その上に座ってパンをかじります。
強い風で身体が冷えたので、温かい飲み物を口にしてお腹の中から温めます。
ふと顔を上げると、もやが晴れて八ヶ岳が見えてきました。
わーお!晴れてきた!これを山頂から見たかった〜!
気温の上昇とともに、さらに緩む雪。シャーベット状になり、アイゼンの爪のなんと頼らないことよ。
すれ違った健脚風のおねえさんが「雪が腐って歩きにくいですね」と。「雪が腐る」という言い方をするのですね。
だいぶ斜面がなだらかになってきました。
ホッと息をつきながら、今度はアイゼンを岩や石、自分の足に引っ掛けないように慎重におります。
すっかり春の山です。
雪山は楽しむ程度、軽アイゼンで歩ける範囲でいいや、そう思っていたはずなのに、登ってみたい山はキリがなく…
目標にはなかった12本爪アイゼンとの出会いが偶然にやってきて、今に至ります。
とにかく安全に下りてくることだけを心がけます。遊びじゃないんだ、命がかかわるんだ、山はどんなに低山でも同じですが、雪山を歩くとその思いが強まります。
登山口まで夫が迎えにきてくれました。
季節外れの陽気で汗をたくさんかきましたので、河童の湯に寄ってさっぱりして帰りました。
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