ピアノはうたう

ピアニスト小原由起子のブログです。音楽活動と、趣味の山歩き、日々の暮らしで大切に想っていることを綴っています。

雲の中の壮大なカール〜仙丈ヶ岳後編


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翌朝起きたら…視界は真っ白でした。

お天気が悪いのではなく、霧というか雲の中、いわゆるガスっている状態。

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「晴れてくるかもしれないから元気出していこう!」

美味しい朝食をいただいて出発です!

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両側に咲いているのはナナカマドの花だそう。

ちょっと不思議な香りに包まれます。
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急登ではないけれど、山頂に続く稜線に出るための登りが続きます。

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開けたところに出ました。おそらくカールの中です。晴れていれば正面に仙丈ヶ岳の山頂が臨めるはず。

(カールとは、氷河の侵食により、山頂の下がスプーンで抉られたように窪んでいる地形のこと。)
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仙丈小屋も幻想的なムード。

こちらに泊まることも検討しましたが、標高が3,000m近くあることから、山小屋デビューの夫が万が一高山病になっては…と馬の背ヒュッテにしたのでした。いつかこちらにも泊まってみたい!
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昨日ここまで登ってきていれば、眺望がよかったはず。まぁ、山ではよくあること。仕方がないです。
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その代わり足元はずっとお花畑。チョウノスケソウとイワカガミのコラボ。

一面のハクサンイチゲ
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ミネズオウ
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ツガザクラ
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あと少しで山頂!頑張ろう!
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オヤマノエンドウ
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やった!仙丈ヶ岳登頂!標高3,033m

夫は乗鞍岳に次いで2度目の3,000m超えです。
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イワベンケイ

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シコタンソウ
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イワウメ
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ガスで見えませんが、広いカールを3つも抱く仙丈ヶ岳、そのひとつひとつの縁を歩きます。

壮大ではありますが、危険なところはありません。
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広がるお花畑

もう数え切れないほどの種類の高山植物が咲いています。
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雷鳥が出てきそうな天候ですが、簡単には見つけられません。

すれ違う人みなさん「雷鳥見ました?」「上も真っ白ですか?」

どなたも同じ思い。

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仙丈ヶ岳に続く稜線が見えます。

晴れていれば甲斐駒を見ながら歩いたのかもしれません。
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振り返ると、うっすらと仙丈ヶ岳のカールが見えますが、またすぐ消えてしまいます。
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何度かアップダウンを繰り返すうちに小仙丈ヶ岳が見えてきました。
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途中少し急な岩場もありましたが、それほど怖いところもなく「入門編」と言われる所以です。

足元にはゴゼンタチバナがたくさん咲いています。

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仙丈ヶ岳、登頂!2,864m

ここからは北岳と富士山が見える…はずだそうです。きっとあのへんだね…鳳凰三山はあっちだね、そう言いながら、気持ちを切り替えて下山開始!

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ハイマツの間をひたすら降りていきます。

急ではありませんが、長く続く下りに足の疲れも増していきます。怪我をしないようゆっくりと慎重に降りていきます。

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標高が下がるにつれ、ガスは薄くなり、気温は高くなり、湿気を不快に感じるようになります。

「下界に、帰るんだ」

下山はいつも、無事に降りることのできた安堵と、山歩きが終わってしまう寂しさが混ざり合います。
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分岐まで降りれば、昨日登ってきた樹林帯を降りるだけ。バスの時間に間に合うように、気をつけて歩きます。

ここまで来るともう頭の中は「温泉」と「下山メシ」のことでいっぱい。

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予定通り13時10分のバスに間に合うように下山しました。

ふたりとも怪我がなくて本当によかった。

夫の南アルプスデビュー、山小屋泊デビュー、どちらも無事でよかった。

だいぶ足が疲れた様子だったので、日頃の運動不足を反省してほしいな、と思います。

私?

まだ歩き足りないくらいでした。うふふ。
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高遠温泉さくらの湯で汗を流し

茅野のとんかつ勝味庵でガッツリ食べて大満足!

仙丈ヶ岳、懐の深いいい山だったなぁ。次回はぜひ晴れた日に!

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