藝大卒業後に東フィルに入団、以来長きにわたり首席フルート奏者を務めてきた吉岡アカリ氏の還暦記念コンサートに行ってきました。
演奏家としてだけでなく、武蔵野音大では後進を育ててこられたアカリ君、この日はお弟子さんや縁の奏者たちによるフルートオーケストラと共演、指揮をされました。
華やかなステージを拝見していて、誰からも好かれる彼のお人柄が伝わってくる温かなひとときでした。
演奏はもちろんですが、何より光るのがアカリイズムと言われる卓越したユーモアのセンス。
コンサートのチラシ、チケットから当日配布されたプログラムに至るまで、フルートの教則本やエチュードのパロディをもとに作成されていて、記念コンサートを隅々まで楽しめるようになっています。
巨匠の肖像を真似てみたり、いたずらっこ気質は学生時代とまったく変わらないアカリ君ですが、舞台では思いのほか真面目で拍子抜けするほど。
そう、音楽に向き合うときは驚くほど真剣なのでした。
終演後に会ってみたら、あっという間に時間が戻って出会った頃の私たちに。
ファンに囲まれる前に同級生で記念撮影!
わぁ!みんなちっとも変わらない(笑)!
アカリ君との思い出は尽きません。
3年の芸祭ではラヴェルのピアノ協奏曲を共演、第2楽章の美しいフルートソロは語り継がれるほど、この日も友人と話題に上りました。
卒業試験で優秀だった学生に出演権が与えられる読売新人演奏会では、アカリ君の伴奏を務めさせていただいて、おかげで私まで顔写真が読売新聞に掲載され、たくさんの知人からお電話をいただきました。
父は嬉しそうに「いえ、由起子ではなく伴奏させていただいただき吉岡さんが優秀で」と最初のうちはきちんと説明していたのが、だんだん面倒になって省略(笑)こちらも家族で語り草になっています。
夜中までどんちゃん騒ぎをしたり、スキーを教えてもらったり、楽しい思い出もいっぱい!
当日は仙台や浜松からも仲間が集まりました。
こちらは来場者全員にプレゼントされたクリアファイル、プログラムと同じエチュードの表紙が模されています。
これを使うたびに、このコンサートのことを思い出したニヤリとしそうです。
【番外編】なんと、当日はピアノソロも弾いてしまったアカリ君、かなり緊張されていたのが伝わってきて
数日後に同じモーツァルトの協奏曲を弾く私はドキドキが止まりませんでした(笑)
どうぞ健康で、ますますのご活躍をお祈りしています。
#フルート奏者吉岡アカリ
#東京フィルハーモニー交響楽団首席フルート奏者