中央線から立川で青梅線に乗り換え、さらに拝島で五日市線に乗り換えます。
これはもう完全にハイキングかキャンプのルート!
車窓から見える奥多摩の山々がみるみる近づいてきてワクワクします。丹沢山系の奥には富士山も。
線路脇には昨夜降った雪が残っています。
武蔵五日市駅では登山口に向かうバスには乗らず、送迎を引き受けてくれた友達の車に乗り込んで、向かう先は懐石料理の名店「黒茶屋」さん。
こんなに山奥なのに、駐車場はいっぱい!
入口では大きな水車が迎えてくれますが、凍結していてツララになっているところも!
秋川渓谷を臨む斜面に立つ古民家は300年前に建てられたそう、店内に入ると古さよりも温かみや清潔感が伝わってきました。
通されたお部屋から庭が見えます。春は桜が見事で外国からのお客様が感激されるそうです。
懐石といっても「素朴な山里料理」と謳っているとおり、新鮮な素材を丁寧に調理、前菜は籠の中いっぱいに器が並び、賑やかな目にも舌にも楽しい。
お造りはお魚だけでなくこんにゃくや胡麻豆腐も。奥多摩の名物です。
この日は、昨年秋に開催された「寿音の会コンサート」の打ち上げ、そして今年の会に向けての打ち合わせを兼ねた幹事会として、先生を囲み門下生が集まりました。
長く続く門下会は、出演者の努力はもちろんのこと、細やかな配慮にあふれる幹事さんたちの支えがあってこそ、その労を労うひとときとなりました。
上は還暦を過ぎた私から、下は大学を卒業して3年目の若者まで、さまざまな世代が集まる幹事会はとても和やかで話題が豊富、先生の相変わらずの鋭いジョークに笑い声が絶えません。
前例に習いがちな流れに、フレッシュな提案が次々と注ぎ込まれ、それぞれが忙しい幹事さんたちにできるだけ負担がかからないよう工夫が重ねられます。
音大を卒業してからもピアノを弾き続けるというのは案外と難しいことで、仕事や家庭環境によってはピアノから離れてしまう人も少なくありません。
小さい頃からたくさんの時間をかけて積み重ねた努力、そして先生からご指導いただいた貴重な経験、それは宝物に違いないのだけれど、発揮する機会がない人もいて本当にもったいないことです。
そんな人たちに「ひと段落したら、また弾いてみませんか?」とお声かけして演奏の場をご用意するのが「寿音の会コンサート」の役割のひとつです。
久しぶりのステージに立つのはとても勇気のいることだけれど、先生の励ましもあり(叱咤も…笑)どなたも抱えきれないほどの緊張感を乗り越えて、素晴らしい演奏を聴かせてくださいます。
ピアノを弾き続けるというのは実はとても大変なことで、練習をする場所、時間、という環境の問題や、年齢とともにあちらこちらに発生する身体的問題、何より大きいのはメンタル面かもしれません。
「学生時代のようには弾けなくなってしまった」という挫折感は誰にでもあるもの、それを「年を重ねたからこそできるようになったこともある」と発想の転換をしてピアノに向かうことができるようになるには、かなりの忍耐力や意志の強さ、そして楽観的な思考も大きく必要になります。
美味しい食事の後は、敷地内の庭園を散策します。
秋川の流れを見おろせるテラスは、ぜひ暖かくなったら再訪したいスポット。
お食事をしなくても気軽に立ち寄れるカフェも併設されています。
渓谷の向こうに山々が見えると
「ここまで来たら、やっぱり山を歩きたいよなー」と募る気持ちを抑えつつ、
今日は素敵なお仲間と過ごした温かな時間に感謝をこめて、お店を後にします。
先生からは、新年早々起きてしまった震災の、復興支援チャリティーコンサートのご提案があり、早速日程や会場調整、選曲まで話が進みます。
これは…また忙しくなりそうです!
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