あるコンサートで、大学時代の恩師松浦豊明先生のお嬢様にお会いする機会に恵まれ、少しずつお話をするようになりました。
今は亡き松浦先生のお顔立ちやまなざし、首の傾げ方によく似ていらして、懐かしい想いでいっぱいになります。
当時は劣等感でいっぱいだった私は、先生に対しても卑屈なまでに自信がなく…もっといろいろなことを聴いたり訊ねたりすればよかったのに、そんな資格はないと思っていたのでした。
お嬢様の横顔に、ちょっぴり切ない思いが胸をよぎります。
そんなある日、ひょんなことから助手席に乗せていただくことがありました。車のBGMはゴルトベルグ変奏曲
「これ…先生の演奏ですか?」
と訊ねる私にお嬢様は
「ううん、トゥレックよ。パパがこれが1番いいって言ってたから、私も気に入って聴いているの」と。
トゥレック…初めて聞く名前。
ロザリン トゥレック。
https://youtu.be/27-NajIz2xQ?si=iT-yBGNazqR5KHKY
ゴルトベルグといえばマリアティポーの演奏がお気に入りだったのですが、また別の魅力がありその日の気分で聴き比べてみたり。
https://youtu.be/EB6_hnpHynA?si=Hx9Qk9FjkwuIrbwz
長い冬からゆっくり春への歩みを感じながら、バッハの音と音の間を聴くのが大好きです。
#2024早春
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