今年のゴールデンウィークは、カレンダーが飛び石だったり仕事があったり天気予報が今ひとつだったりして、前もって何か予定があったわけではないのですが、
お天気がいいと山に行きたい病がウズウズしてきちゃうわけです。
この日は麓で夫がゴルフをしていて送迎をしなくてはならないということや、残雪の少ないコースを歩きたいのを考えて、蓼科山一択。
これまで3回登った蓼科山ですが、いずれも七合目鳥居登山口からのコース。この日はまだ残雪が多いとの情報を得ていたので、雪がない南斜面のすずらん峠からのコースにチャレンジです。
蓼科山といえば岩ゴロというイメージですが、このすずらん峠からのコースは中でも岩ゴロがハードなことで知られています。
本当は苦手なので避けてきたのですが「いま克服しなければ!」となぜか果敢にもアタックしてしまったのでした。
事前の予習で急登が3回あるとのこと、1回目までは予想通りの岩ゴロをゆっくり乗り越えて、なんとかコースタイム通りに登ることができました。
さぁ、2回目の急登に向かって出発!
早速目の前に立ち塞がる岩ゴロ。
振り返ると南アルプスの山並みが!
そう、南斜面なので正面に仙丈ヶ岳が姿を見せています。
もう少し登ると北岳も見えるとのことでした。
日陰に少し雪が残っていましたが、踏み抜きもなく難なく通過できるレベル。
七合目鳥居コースはアイゼンやチェーンスパイクが必要というから、同じ山でも斜面の向きによって違うのだな、と感心してしまいます。
登っても、登っても、目の前には岩ゴロが続きます。
前後の登山者もみんな苦しそう。そうか、私だけではないんだな。
足元に花が咲いているわけでもなく、新緑が鮮やかなわけでもなく、どちらかといえばまだ冬枯れのままという蓼科山、励みになるのはこの景色だけ!
やっと平なところにやってきました。
幸徳平。本当に束の間の幸せだわ〜
こだま登山部のガイドのこだまさんに教わった通り、休憩の時には必ずリュックを肩から下ろし、座って足を労ること。
怪我をしないで無事に下山できますよう、それだけを考えて歩きます。
だんだん傾斜がキツくなり、夫を迎えに行く制限時間も迫っています。
「撤退…」「時間切れ」どうしようかな。
と、目の前がひらけてきて、樹木が立ち枯れて来ました。
森林限界、山頂が近いのです。
「よし、頑張るか」
あの先はきっと山頂!そう思うとエネルギーがみなぎってくるから不思議です。
あれ?あれれ?山頂、じゃないの?
安全に登頂できるように岩に進むべき矢印が書かれています。
ここからさらに横に移動しなくてはなりません。「なんてこった!」
予定よりだいぶ時間を過ぎてなんとか登頂。
今日は1人なので記念撮影もできないから
三角点にタッチの証拠写真。
岩を掴んで頑張ってくれた黒い軍手さんでピース
蓼科山の山頂は真っ平らで、一面岩ゴロ。
向こう側に行った景色も見たいけれど、予定の下山時刻を考えるとそんな余裕がない。
360度のパノラマビューを楽しんですぐに下山開始です。
山頂ヒュッテにも寄ることができません。
ピアノも、ちゃんぽんも、手拭い買うのも
また今度。
左に行くと七合目鳥居登山口、私は右へ。
目の前には八ヶ岳オールスターズ
もうだいぶ雪が少ない。
高度感があって怖かった、岩ゴロの横移動。
3点支持でなんとか下りられたけれど、すぐ横をヒョイヒョイ飛び跳ねるように下りていく若者もいてビックリです。
途中、休憩している時に一緒になった、息子くらいの歳の男子は「山頂直下はすごかったですね、僕初めてで怖かったー」と言っていたので、若くても怖いと感じる人もいるんだ、と少しホッとします。
だいぶ下りて来て、やっと足元の植物に気がつきます。たぶんコケモモの蕾と葉っぱ。
山頂にもたくさんあったけれど、写真を撮る余裕がありませんでした。
来月には可愛らしい花をつけることでしょう。
幸徳平まで降りて来て、緊張感から少し解放されました。
ここでおにぎりを。無事でよかった。
夫からは、ゴルフは予定より早く終わってしまったけれど、待っているのでゆっくり降りてくるように、と連絡がありました。
慌てず慎重に下山しましょう。
顔を上げるとこんな景色。
少しだけ余裕が出て来ました。
いつもは煩わしいクマザサでさえ、岩ゴロよりずっと愛らしく感じてしまうほど。
もう岩ゴロはしばらくいいかな。
でもきっとまた登りたくなる。バカなの?
登山口には夫と、お世話になっている長野のお父さんとお母さんが待っていてくれました。
「なんだ、まだまだ歩けそうな足をしてるね」
お若い頃に槍穂高を制して上高地の診療所にお勤めだったお父さんに冷やかされてしまいました。
「いえ、ヘロヘロです〜」
無事に下山できました。
夫が茅野のアイスサロン、piccoに連れて行ってくれました。めでたし、めでたし。
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