
バイブルのように毎日少しずつ読んでいる本があります。
その著者が、年齢不問の山歩き講座を主宰していることを知って、早速申し込んで参加しました。
憧れの登山家と一緒に山を歩ける喜びと緊張でいっぱいでしたが、その人、山田哲哉さんは大変気さくで愉快な方でした。
行きの車中から見える山々を山座同定、こんな贅沢はありません。
雪の金峰山、秩父の名峰ですが、冬季は長野県川上村の廻り目平から登るのが一般的だそうです。
私の力量と経験でも大丈夫とのことで、持っている限りの雪山装備を詰めて登山口から歩き始めます。
ここ数日の降雪と低温でスケートリンクのような氷の上に足首まで埋まる新雪、
「軽アイゼンより10本爪でいきましょう」と貸してくださったのですが、私は初めて履くので不安と緊張でいっぱい。

それでも山田さんのガイドで樹林帯を進むうちに、ダケカンバの林、シャクナゲの群生を歩きながら最高に気持ちのいい雪山歩きとなりました。
山全体がすっぽりと雪雲の中に入ってしまい眺望は今ひとつでしたが、隣の瑞牆山は見え隠れ、晩秋に登ったばかりでしたので、雪化粧した姿が見られて感激でした。
シャクナゲは冬の間、雪の重みに耐えられるように葉を閉じています。その様子が健気で本当に可愛らしい。
ぜひ花の季節にまた訪れたいと思うのでした。
静かな樹林帯をひたすら登ります。
時折急な登りもありますが、長くは続かないので助かります。慣れない10本爪アイゼンですが、足の負担になることなく歩けてよかったです。
何度かアップダウンを繰り返した頃、こんなプレートがありました。標高2,300mを示すものです。
登山口が約1,500m、小屋が2,400mちょいなので、もうすぐ小屋に着くということです。

しばらくすると小屋に到着、本日は気温もマイナス13度と低く、眺望もないことから、登頂は明朝にして、小屋でゆっくり過ごすことになりました🙌

憧れの金峰山小屋、ドアは案外簡素、なるほど稜線上にたっているのだから頑強さが優先でしょうか。
中に入るとなんととても暖かい!
薪ストーブの炎が赤々と燃えて、先ほどまでの寒さが嘘のようです。
噂には聞いていた居心地の良さ。飲み物のサービスも充実。
照明のランプシェードも手描き風で柔らかなイメージ、たくさんの書籍の中には山田さんの著書もあります。
炬燵に入ってビールで乾杯!
山田さんの山のお話が聞けるなんて、ただただ感激です。
ネパールの話、モンゴルの話、険しい山の話題だけでなく、地域の人との交流のエピソードなど、心温まるお話も多かったです。
お楽しみ、夕食の時間になりました。
手作りハンバーグ、野菜たっぷりの付け合わせ、山頂近くの山小屋でこんなに豪華な夕食が作れるなんて!
金峰山小屋は天水に頼っているため、洗面や手洗いのための水がありません。食事の支度もどんなにか大変なことでしょう。
寝床は2階なので寒いかと思いきや、薪ストーブの暖気が上まで上がってくるのと、なんと布団が羽布団なのです!はじめはたくさん着て布団に入りましたが、寝ているうちに暑くなってきて一枚また一枚と脱いで寝ました。
翌朝は、これまた名物のお粥の朝ごはん。
白粥かと思ったら、ほんのり中華の風味、細かい干しエビが入っているのでした。
さぁ!お腹も温まったことだし、いよいよ山頂を目指して出発です!
小屋の外の気温はマイナス16度。
雪は降っていませんが風が強い!

山頂まで夏山なら30分弱ですが、降り積もった新雪にトレースはなく、ラッセルをしながら登ります。
目出帽から出たほっぺたがピリピリするほど寒い。

もう山頂が見えているのになかなか着きません。はじめは山田さんが先頭を歩いてくださり後ろについて歩きましたが「はい、じゃ先頭歩きましょう、20歩ずつ交代ね」
え?私が先頭でラッセル?ひゃー!
必死で何度か交代しながら歩くうちに、山頂に着きました!
金峰山、2,599m
眺望はなく、すべてのものが凍りついています!

名物の五丈岩もカキンコキン!
自分の頭のフードも、まつ毛も、メガネも、凍っています。
一瞬雲が晴れて青空が見えました。
ところが、防寒対策で手袋を3枚も重ねているので、簡単に写真を撮ることができません。残念…。
本当なら八ヶ岳がずらりと顔を並べて見えることでしょう。またお天気のいい時に来ましょう!
あまりの寒さに周回はやめて小屋に戻ります。
温かい甘酒をいただいて荷物をまとめて下山開始です。
下りは早い早い、一歩一歩登ってきた道を、あっという間に降りてしまいます。
途中、瑞牆山が見えました。
ご一緒したメンバーの中には山田さんと金峰山に何度かいらしている方がいて、聞けばたくさんのルートがあるとのことでした。
ぜひそんなルートも歩いてみたい。
林道まで降りてきました。
慣れない10本爪アイゼンでしたが、無事に降りて来られてホッとしました。
何よりマイナス16度の厳寒の中、雪の金峰山に登頂できたことが嬉しく幸せでした。
憧れの山小屋にも泊まれてよかった。
唯一残念だった眺望。
帰りの中央道では、車中から大きな富士山が見えました。
また来てね、と言われているようで、早速冬山歩きの計画を立てようと思います。
#風の谷
#山田哲哉
#山歩き講習
#雪山講習
#雪の金峰山
#秩父の王様
#金峰山
#金峰山小屋
#廻り目平