そもそも私がこんなに山歩きにハマってしまったのは、3年前に山の先輩仲間にお声かけいただいて、八ヶ岳を歩いた時の感動があまりに大きかったから。
あの日はこの分岐を右に行ったっけ…。
この夏はぜひ夫に八ヶ岳デビューを!と「私が」熱望しておりまして、あれこれコースを迷った結果、もしバテたら第一展望台までで引き返すも有り、ということで天狗岳に向かって出発いたしました。
唐沢鉱泉で登山届を出します。
午前7時過ぎ、他にも何組か登山者が。
早く戻れたらこちらの温泉にも入ってみたい。
さぁ、登山口!この橋を渡って戻ってくるのか?それとも周回して沢沿いに降りてくるのか…。
苔むした美しい沢、のちにうんざりすることになるとは…
初めから結構な登りが続きます。
曇り空なので暑さはそれほど感じません。
入念な下調べをしましたが「初心者向け」「八ヶ岳デビューに最適」とあるこのコース。
…え、ほんまかいな?
1時間ほど歩いて分岐に到着。私はいつも最初の20分が1番しんどい。今回はゆっくり歩いているので大丈夫。
というのも、夫は「静荷重静移動歩行法」というのを試してみたい、とのこと。
疲れない歩き方なのだそうです。たしかに息は上がりませんが、なんといってもゆっくりです。
さぁ、そんな登りにも飽きてきた頃、景色が開けて来ました。
お!あれに見えるは…赤岳ではないだろうか!
第一展望台に到着。
「どうする?引き返す?」
「この景色見たら行くしかないだろう」
とりあえず先に進みます。
足元の岩が大きくなってきました。
コメツガの美しい樹林帯を抜けると
程なく第二展望台に着きました。
薄雲の向こうに南八ヶ岳の山々が!
登る気満々!
では頑張って西天狗岳を目指しましょう!
晴れてきました。
しかしここから西天狗岳山頂までは岩場の連続!ストックをしまい軍手を装着。
昨年の夏に三ツ岳でガイドの上田さんに教えていただいた岩場の歩き方が蘇ります。
次はどこへ?と迷っても矢印や丸が導いてくれます。感謝!感謝!
振り返れば岩場の向こうにさっきまで歩いてきた山が見えます。ずいぶん上がってきましたが、高度感はそれほどありません。
おぉ!山頂は晴れて最高の眺望ではないか!
後ろに見えるのは硫黄岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳!
西天狗岳登頂。2646m
いつも遠くからうっとりと眺めている南八ヶ岳の山並みがこんなに近くに!
岩のかげに咲いているのはもしかして!
西篭の登山で見つけられなかったリンネソウ!
小さく可憐な花が過酷な環境で咲いていることに胸が震えます。
言葉もなく見惚れてしまう。
硫黄岳の爆裂火口跡
3年前は山頂手前で風雨が強くなり、硫黄岳登頂を断念して撤退、翌日本沢温泉からこの景色を見上げたのでした。
鞍部まで降りてきて西天狗岳を振り返る。
70歳代と思われるグループもいらっしゃる!
西天狗岳の優しく美しい稜線
そしてこれから登る東天狗岳は岩峰。
でも、ここからはそんなに大変ではないはず。
ほら、山頂の標柱が見えています!
とはいえ、ガレ場ですから足元には気をつけて慎重に登ります。
夫はここでも滑らないように「静荷重静移動歩行法」にこだわります。
東天狗岳に登頂。
ここからも絶景を楽しみ、ゆっくりしたいところですが…
前日も大雷雨があったことだし、不穏な雲も見えているので、サッと先に進むことに。
振り返ると切り立った岩峰が見えます。
ここは風の強い時に滑落のリスクが高いとされているポイント。
今日は幸い好天に恵まれましたが、それでも慎重に降りていきます。
大きな岩の間を跨いだり、手を使って降りたり、うんざりするほど、岩、岩、岩が続きます。
その隙間に咲く高山植物たち。
オトギリソウ?
昨年の秋に白駒池から登った「にゅう」が見えてきました。
手前の岩壁は稲子岳かな?
岩登りのメッカだと聞いて「あそこを登るの?」と背筋が震えます。
岩場がひと段落、もうすぐ中山峠というところで一息つきます。やっと樹林帯に入ると思いきや、まだまだ続く岩の道。
遠くに黒百合ヒュッテが見えてきました。
足元には白く清楚な花が!
形から見てトウヤクリンドウかな?
ようやく中山峠に着きました。
白駒池からここを経由して東天狗岳に登るコースも候補に挙がりましたが、いやいや、こちらもハードかと…。
あぁ、平な木道を歩くって、なんて楽なんでしょう。ハードな岩の道とはさようなら〜
キャンプ場に到着。
憧れの黒百合ヒュッテです。
すでに14時半、名物のビーフシチューは売り切れでしたが…
手書きのボード
たくさんの登山者に愛されている山小屋です。
イラストがとても可愛いので買ってしまいました。
ホッとしてアイスを食べてしまいました。
こんなにのんびりしていて大丈夫?
ここからは90分で唐沢鉱泉に戻れるはずでしたが、またしても大きな岩の道が続き…
おまけに苔むした岩が滑る滑る!
沢の中を歩く箇所もあります。
ビビリの私は転ばないように慎重に足を運びます。その結果、ものすごいスローペースに。
やっと渋の湯との分岐に着いた頃には、コースタイムの倍の時間が過ぎていました。
16時までには着いているはずが、もう17時20分!夏だから良いけれど、日の短い季節だったと思うとゾッとします。
やれやれ、やっと唐沢鉱泉に戻ってきました〜
無事でよかった。
転ばなくてよかった。
日が暮れる前でよかった。
源泉を見つけました!触ってみたら冷たかった…。
唐沢鉱泉はすでに夕食の時間、楽しみにしていた日帰り入浴は終わっていました…そらそーだ。
夫の八ヶ岳デビューは
「あの歩き方はいいな!疲れないぞ」
「次は硫黄岳だな!」
どうやら大成功のようです。
一緒に歩けたことに感謝!
まだまだ課題も反省もたくさんあるけれど、これからも少しずつ無理なく八ヶ岳歩きを楽しみたいと思います!
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