ピアノはうたう

ピアニスト小原由起子のブログです。演奏活動やレッスン、日々の暮らしで大切に想っていることを綴っています。

「副科ピアノ」から聴こえてくるもの

年の瀬も押し迫ってまいりましたが、受験生にとってはいよいよ正念場を迎える時期でもあります。クリスマスもお正月もなく冬期講習に通う、厳しい冬を迎えていることでしょう。

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弦楽器、管楽器、声楽で音楽大学を受験する場合、「副科ピアノ」といって入試でピアノも弾かなければなりません。

自分の楽器だけでも練習が大変なのに、ピアノまで練習しなければならないのですから、受験生の負担は如何ばかりかと気が遠くなります。

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そんな受験生のためのセミナーの、講師のお仕事を引き受けています。

受講生には、専攻科目やソルフェージュの他「ピアノ模試」といって、数人の講師の前で入試実技試験さながら受験曲を演奏してもらい、講評を伝えています。

受験生は、音階全調から当日指定されたものと、あらかじめ出されている課題曲(ソナチネあるいはソナタ)から選んだものを弾きます。

どなたもみなさん大変緊張されています。

無理もありません。

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でも入試はもっと緊張することでしょう。心を鬼にして厳しい講評を伝えます。

2ヶ月後に試験場で後悔することのないように、との願いからです。

 

いつも思うのは、

なぜそんなに力任せに弾くのか?

速く弾こうとするのか?

ということ。

ゆっくりでいいから、丁寧にいい音できれいに弾いてほしいのに。

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緊張しているのでしょう。

頭の中が真っ白なのかもしれません。

だからこそ日頃の練習はゆっくり片手で自分の音がどう聴こえているのか?を意識することが大切なのです。

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副科ピアノは、ピアノ専攻生のように速くバリバリと弾く必要はまったくありません。

審査員は、音楽家としての基礎能力があるかどうか、そしてそのための努力をしているかどうか、を聴いているのです。

声楽科を受験するのに、メロディがフレーズを無視したものだったり、伴奏型を無神経にドタバタと弾いていたら「あなたはそんなふうに歌いたい?」と訊ねたくなります。

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「副科ピアノ」を勉強される皆さんは、もう1度何のために受験にピアノの試験があるのかを考えてみてほしいなぁ、といつも思うのです。

 

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