年に一度の門下生の発表会がいよいよ今週末と近づいてまいりました。
1週間前にリハーサルを済ませ、最後のレッスンも無事に終わり、あとはどなたも体調を整えて万全のコンディションで舞台に立てますように、と願うばかり。
そして、主催者はもろもろの準備を整えます。
父がピアノの先生をしていたので、物心ついた頃から毎年11月の生徒さんの発表会は我が家の恒例行事のひとつだったし、その華やいだ雰囲気や舞台袖の緊張感、駅から会場まで北風に吹かれて歩く一本道や、煉瓦色の石段に枯れ葉が舞う光景は、今もはっきりと記憶に残っています。
生徒さんたちの弾いた曲はどれも耳に残っているし、舞台のお花を分けたりプレゼントを渡したり、何もかもが今の私の仕事の原点なのだな、と今更のように実感しています。
とはいえ、よそのピアノ教室の発表会を聴くのもこれまた楽しみで、「なるほど〜」と新しい発見や、「あるある…」同業ならではの共感など、演奏を聴く以外にも大変興味深く勉強になります。
実はここ数年、ずっと悩んでいることがあります。
どこの発表会に伺っても、生徒さんやそのご家族は最初から最後まで会場内で演奏を楽しまれているのです。
正直申し上げて、それほど音楽に関心のあるようにお見受けしない感じの方も、よその見知らぬお子さんの演奏に耳を傾けていらっしゃる。
これは私にとって大変衝撃でした。
というのは、私の教室の発表会は聴いている人がものすごく少ない。
みなさん、ご自分の演奏が終わるとロビーや楽屋で談笑されていたり、集合写真まで外で時間をつぶす方もいます。
それが「よくない」と言ったこともなければ、私自身も無理やり演奏を聴かされるのが好きではなかったので、生徒さんに強要するのも気が進まなかったのです。
でも、他の教室の発表会を聴くたびに、もしかして私が少し考えを改めるべきなのかもしれない、と思うようになりました。
発表会を主催する先生方にお話を聞いてみると、普段から他の生徒さんの演奏を聴くことも大切な勉強だと伝えていたり、生徒さん同士の交流を深めるために顔合わせ会や弾き合い会をしてお互いの演奏に関心を持たせるように心がけているとのこと。
私は、何も、やっていない…。
ピアノを弾くことを通じて様々なことを伝えてきたつもりだったけれど、もう少し視点を変えてみようかな。
明日の発表会には間に合わないかもしれないけれど、生徒さんが自分の演奏だけでなく、他の人の演奏にも関心を持ってくれるように。
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#みんな無事に舞台に立てますように